“I am” Donation® plus Collaboration Vol.2 ー Rie Kimoto
この言葉に、彼女は何を捉えたか。
揺れ動く自己の在り方を肯定し、絶え間ない変化を受け入れる──。彼女は、クリエイティブディレクターとしての視点から、「自分らしさ」とは一つの固定された形ではなく、時と環境、人との出会いによって絶えず変容し続けるものであると捉えている。
4年間、ブランディングの世界で精力的に活動し続けてきた彼女は、その歩みを一度立ち止まり、未知の領域へと進むことを選んだ。ロンドンへの移住を機に、彼女の視点は深まり、雨の日の水たまりや街角に溢れる光の移ろいが、創作に新たな息吹をもたらした。“I am” Donation® をさらにアップデートさせた“I am” Donation® plus の第二弾となるコラボレーション。日常に潜む美しさを捉え、それをデザインとして形にしていく過程は、彼女自身の「自分らしさ」を探求する旅そのものとなっただろうか。
「昨日の自分を裏切ることを恐れない」彼女は言う。揺れ動く心、日々変わる世界に身を委ねながら、彼女は自分自身を発見し続ける。揺らぎ、変わり続けることこそが、彼女にとっての“I am”であり、表現者としての真髄なのだ。

昨日誓った自分を今日裏切ることを恐れない
── 木本さんにとって“ I am ”(自分らしさとは)とは何でしょうか?
「自分らしさ」は時間、環境、対面する人やものに呼応して日々変わりつづけます。確固たるわたしみたいなものを持つのなんて到底無理なわけで、その、確固たる私なんていないんだという事実を許容することが強さなんだと思います。理想の揺るぎないひとつに固執する必要などないのです。
4年間ブランディングの会社を続けてきたいま、勢いを加速させてキャリアを重ねていくことが最も自然な挙動なわけで、しかしここで一度立ち止まって仕事を思いきり減速させる。0から未開拓領域を学び始めてみる。一見一気通貫性には欠けるとしても見え方なんてどうでもよく、自分が自分である限り真ん中の脊髄みたいなものは嫌でもつながり続けてる。だからこそ、昨日誓った自分を今日は裏切るみたいなことを恐れずつづけていきたいです。

── 最近、どんなコトやモノからインスピレーションを受けましたか?
ロンドンに移住してから特に好きではなかった雨の日が好きになりました。日本のように舗装されていないでこぼこ道には異常に深くおおらかな水たまりができる。それがもう街に突如現れた湖みたいに深く街のネオンを反射する。今回のアクセサリーの3つのテーマのうちのひとつが雨で、それはこの水たまりを見た夜の日の衝撃がインスピレーションになっています。

わたしがそこにいる理由
── 常にチャレンジを続ける強さやエネルギー源について教えてください。
20代の頃は自分に自信がなくって、乏しい自己肯定感を埋め合わせするように努力を続けてきたように思います。けれど30代になって、わたしらしさ≒わたしがそこにいる理由を他社ではなく自分の側に手繰り寄せることがだんだんできるようになってきて、いまは単に自分の「知りたい」「学びたい」にただ忠実に挑戦を続けています。昨日できなかったことを今日少しできる喜び、今日知らなかったことを明日少し知っている喜び。

── 今後の活動予定や目標はありますか?
これからはロンドンと東京を拠点にある種無目的におおらかに「知りたいことを知り、作りたいものを自分のために作る」ということを秘密基地みたいにひっそり楽しんでいく予定です。

零れ落ちそうな美しい情景を閉じ込めて
── デザインに込めた想いを教えていただけますか?
影(光を引き立てる黒)、雨(粒の白)、木(季節や土地によって異なる緑)。移住してからも変わらず毎日カメラを持ち歩き、心を奪われた美しい情景を写真に撮り溜めていました。その中で特に枚数が多かったのがこの3つの情景。今日も明日も当たり前に目に入る、世界のこぼれ落ちそうな美しい風景を喜ぶその態度をそのまま石に閉じ込めて、日々身につけられるようなものを作りたいという気持ちから始まりました。

── SNAP時のコーディネートのポイントについて教えてください。
自分自身が普段から身につけたいようなものを作ったので、普段着ている黒い服にそのまま合わせました。重ね着したり色を組み合わせたりは苦手で毎日考えるのも疲れるし黒い色が落ち着く。無理しておしゃれしなくたって、これだけつけていればなんとなくきらりとまとまるように思います。

── 最後に…このプロジェクトへのメッセージをお願いします
このプロジェクトを通して遠い国、異なる背景のお互いを少しずつだとしても想像しあえること、こうしてこの瞬間も皆さんのことを考える時間があるということをありがたく思います。私個人にできることがたとえほんの小さなことだとしても、想像することはやめません。

Rie Kimoto _ profile
1992年生まれ。株式会社HARKEN代表。武蔵野美術大学特別講師、女子美術大学 非常勤講師。東京とロンドンを拠点に不可分な都市と自然の周縁を学ぶ。自然環境における不動産開発「DAICHI」を運営。旅、自然、日本文化に関わるさまざまな業態開発やブランドの企画、アートディレクションを行う。
HP
https://harkenic.com/
@riekimoto
Photographer: Nanato Yamada
"indivisibility" Photo Exibition by Rie Kimoto
Rie Kimoto(木本梨絵)氏との“I am” Donation plus でのコラボレーションジュエリーローンチに伴い、同氏の撮りためた写真の数々を展示する写真展をARTIDA OUDの店舗兼ショールーム、「THE ANOTHER MUSEUM」にて10月に開催予定。

“I am” Donation Rie Kimoto × ARTIDA OUD ジュエリーはこちら
9月30日(月)20:00 発売予定

