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“I am” Donation プロジェクト  ─ 作り手が紡ぐ、彩りあふれる世界 ─

interview

“I am” Donation プロジェクト ─ 作り手が紡ぐ、彩りあふれる世界 ─



世界中の誰もが「私が私であるために(=I am)」と発信することで、自分らしく活躍できる環境が広がっていきますように──
そう願いを込めた、“I am” Donation プロジェクト。

インド・ジャイプールの地にて生みだされる、“I am” Donation。
女性の職人たちの手で、一つひとつ丁寧に作られるジュエリーは、1点につき最大1,100円が、インドの子どもたちの教育支援に寄付される。
作り手と子どもたちの未来をつなぐ、心あたたまる物語。それは彼女たちの心のなかに秘められた想いを映しだし、一段と煌めく。




女性たちの輝く未来を築くために

インドでは未だカーストやジェンダーにもとづく差別が根深く存在する。
とりわけ女性は仕事をするより家庭に入って配偶者や家族の世話をする慣習が色濃く残り、女性の社会進出は遅々として進んでいない。



教育を受ける機会が限られ、安定した職に就くことが困難な若い女性や母親たち。
彼女たちが技術を学び、身につけ、自分らしく活躍できる環境を作ることができたら──
そんな希望を込めて、“I am” Donationのジュエリーは女性の職人に作ってもらいたいと願ってきた。

工房の責任者に「女性を雇用することの大切さ」を説き、すぐに女性の職人たちを雇用してくれるようになったものの、気づくと男性の割合が増えてしまっている....環境や考え方を変えることは容易ではなかった。
何度も工房に足を運んだことで、女性の自立した未来を創るお手伝いをしたいという私たちの強い想いが伝わり、年々と女性の雇用が増えていった。今では“I am” Donationのジュエリーは女性の職人たちの手で作られるように。




作り手が込める想い

新型コロナウイルス感染症の影響で、なかなか訪れることが叶わなかったインド。
この夏、“I am” Donationジュエリーが作られる工房へ、数年の時を経て伺うことができた。

優しさと、強い意志と。祈りが込められた、“I am” Donation プロジェクト。
その作り手に話を訊けた。遠く離れた場所にいても、人や世界を想う優しい気持ちは共鳴していく。





Anil Sharma, Chief Executive Officer

いつもあたたかな笑顔と謙虚な姿勢でわたしたちを迎えてくれるアニールはこう語る。

家族のように大切に想う職人たち

「私は16歳のころから、この工房の創始者である叔父と働いています。その時はまだこの工房は作られておらず、小さなビジネスから始めて、2007年にこの工房が生まれました。叔父から事業を引き継いだ時はとても大変でしたが、従業員たちに支えてもらいましたね。みんながいなければ、今の私はいないでしょう。困難を乗り越えながら、充実した楽しい日々を過ごしています。」

─── この工房では、どんな人たちが働いていますか

「仕事に愛と責任を持っている人たち。どんな困難にも立ち向かい、仕事を楽しむことができる。そんな人たちが働いています。」

この工房では新しい職人が1年目を迎えると、家族の絆、結びつきを示すファミリーリングを手渡す。

「従業員を“家族”として迎えいれることで信頼関係が生まれ、彼女たちはこの仕事に愛をもって向き合ってくれます。家族が家に帰るように工房に通い、喜びや悲しみも共有しあう。家族になってくれた従業員たちに感謝し、家族であるからこそ、彼女たちを守ることが私の責任だと考えています。」



女性の雇用に対してとても柔軟で理解のあるアニールに、“I am” Donation プロジェクトについて訊いてみた。

「このプロジェクトに携わり、女性たちの自立した未来を支える存在でありたいと願うようになりました。今では彼女たちがいるおかげで、新しい仕事にも挑戦できています。」

─── 女性の職人たちに、どんな未来を描いてほしいですか

「私はこの仕事に誇りを持っています。人生の全てをかけて、仕事に向き合っているんです。彼女たちにも同じように、愛と情熱を持って仕事に向き合い、人生を豊かに生きてほしいと願います。もし彼女たちに困難なことが待ち受けていたとしても、私たちが家族として支えていきます。」





Yashvi Sharma, Design Director

家族の絆がビジネスを支え、ともに成長する姿は、インドでは珍しくない。この工房でも、親族同士が支え合いながら働いている。
その中でも、創業者の娘であり、女性たちを統括するマネージャー兼デザイン ディレクターを務めるヤシュビに話を訊けた。彼女は現代的な感覚を備え、裕福な家庭で生まれ育った教養豊かな女性だ。




強い意志で築きあげた、自分の居場所

ヤシュビはインド女性では珍しい恋愛結婚をし、旦那の家業を手伝うことよりも、父親が立ち上げた実家の家業を手伝っている。

「この工房で働きたいと父に伝えたとき、男性優位の社会のなかで女性が働くことの困難さを説かれたことを覚えています。

─── なぜその道を進もうと思ったのか

「家族が職人たちと働く、楽しそうな姿を見ていたからでしょうか。しかし、女性が活躍する環境が少ないことに疑問を感じていました。私がその第一人者として道をきり拓き、働く女性の手本となるような存在になることを目指して、自らを奮い立たせて働きました。」

ヤシュビが先駆者となったことで、今では工房全体の50人の職人のうち20人が女性に。

「誰しもが自由に夢を描き、輝く未来を築くことができる。これからのインドは、そんな自立した女性が増えてくる、そう私は信じています。」





Pushpa Devi Vaishnavi, Woman Artisan

最後に、“I am” Donationの制作に携わっている女性の職人プシュパと話すことができた。

子どもたちに明るい未来を

─── この工房との出逢いは

「近所の方から、女性を雇ってくれる工房があることを教えてもらいました。ここで働かせていただき、早くも4年が経ちます。ジュエリーを作る技術を身につけて、今では新しく入ってきた女性に教えていたりもします。」



─── 子育てしながら働くことの難しさもあると思いますが

「この子と、上に兄弟がもうふたり。三人の子どもを育てています。子育てと仕事を両立させることはとても大変ですが...家族やアニールさんたちに支えていただき、この子を妊娠中も、2か月目で仕事に復帰した時も、変わらず働くことができました。子どもの傍らで安心して働ける環境に、心から感謝しています。」

─── どんな未来を想像しますか

「三人の子どもたちが輝かしい未来を送れるように。子どもたちが安心して学び成長できる環境を整えてあげたい、それが私の願いです。」



あたたかな優しい気持ちが紡がれていく。
それは、愛と感謝に満ちたインドの人たちだからこそ芽生えるもの。


地球環境に配慮されたものづくり

「私たちは地球からの恵みを受けて、ジュエリーを作ることができています。感謝の気持ちを新しい形で自然や社会に還元することが、私たちの責任だと考えています。」そう話す、アニールとヤシュビ。

この工房では、自然と調和した環境づくりを目指し、ソーラーパネルを活用することで電力の80%を補っている。



また、捨てられる運命にあるその石を美しいジュエリーへと昇華させる、インドのジュエリー業界のなかで先駆的な使命を担っている。

「原石を研磨して優美な宝石となるのは、10~15%にすぎません。欠けた石を再度研磨してビーズにすることは時間も労力も、そして利益率も低いため、ほかのジュエリー工房では捨てられる運命を辿ることが多いです。そんな中、私たちはあえてその業務を行い、女性の職業訓練をして雇用を創出しています。」

アニールたちが積みあげてきた経験と、ARTIDA OUDの感性が共鳴し、“I am” Donationのジュエリーへと息吹を注ぐ。

「このジュエリーは、女性たちに雇用の機会をもたらし、どこかで支えを必要としている子どもたちの未来へとつながっていく。こうしたプロジェクトに携われていることに、心から感謝しています。」




「可愛いから身に着けたい
けれどもそこには強い意志と優しい気持ちが込められている
そんなジュエリーを作っていくことがわたしたちの使命だと考えています」
ARTIDA OUD


「このアイテムを身につけることで、自分が自分であることを
応援できたり健やかに過ごせる励ましになれますように・・
そんな祈りを込めました」
“I am” Donation プロジェクトを共に立ち上げ、その輪を広げてきた、「opnner」Kaho Iwaya



10月5日 (木) に発売された“I am” Donationのブレスレット。夜空に広がる星や月、花々が煌めくゴールドの“opnner”タトゥーシールともに。

そんな想いから生まれた、“I am” Donation プロジェクトは、多くの皆さまに支えていただき、あたたかな支援の輪を広げている。

2022年6月、寄付金額900万円にてインド・ビハール州に6つの幼稚園教室の建設が実現。
さらに、現在、新たに積み立てた寄付金額1,000万円にて、さらに6つの幼稚園を建設中だ。



教育を受けることによって子どもたちが知識や技術を学び、身につけ、自分の人生をきり拓くことができるように...
そう願い、私たちは短期的な支援ではなく、子どもたちの学ぶ環境が整うまで、長期的な視点でこのプロジェクトを継続していく。


その煌めきは、慈愛の連鎖となり、輝き照らし続ける。
子どもたちや女性たちが自らの意志で自由に夢を描き、未来を明るく照らす一翼となることを願って──




女性の職人たちが作る、“I am” Donation のジュエリーはこちら
“I am” Donation プロジェクトについてはこちら

photo, movie : 
Anna Miyoshi

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