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伊勢志摩で偶然にも出逢った、調色前のブルーグレーのアコヤ真珠。
ありのままの姿で唯一無二の個性を放つバロックパールのオーガニックな艶めきに惹かれ、その美しさが引き立つよう、色調の近いグレームーンストーン、ラブラドライト、そしてホワイトのパールとかけあわせたジュエリーに仕上げました。

今回のissueでは新作のパールコレクションのご紹介と、ローンチ時からARTIDA OUDのアコヤ真珠でお世話になってきた山本行太さんにも改めてお話を伺いました。


“philia” 人々を魅了してやまない、優美なパール。みずみずしい月の涙。


古来より特別な装飾品として人々を魅了し続けている真珠。
新作は、ブルーグレーのアコヤパールが主役。

通常は調色という、染み抜きや色素を加えて色味を整える加工が施されているアコヤパール。今回は調色前のありのままの姿に惹き込まれ、その美しさを活かしたジュエリーを作りました。唯一無二の個性を放つバロックパールとカラーストーンが織りなす、モダンなコレクションをお楽しみください。

左は、個性豊かなブルーグレーとホワイトのバロックパールに、グレームーンストーンを組み合わせたフープピアス。右は、さらにラブラドライトも加えた配色のシングルピアス。こちらはシングル販売なので左右ペアで揃えたり、シンプルなパールのスタッドピアスと合わせたりと、アシンメトリーのスタイリングもおすすめです。

[philia] akoya pearl stone MIX hoop pierced earring 33,000yen (with tax) /[philia] akoya pearl stone MIX single pierced earring 13,200yen (with tax) 

左は、美しい曲線に2色のアコヤパールが愛らしく寄り添うようなペアのピアス。右は、絶妙なバランスでパールを配した、モダニティ溢れるイヤーカフ。

[philia] akoya pearl blue MIX pierced earring 38,500yen (with tax) /[philia] akoya pearl blue MIX cufff 22,000yen (with tax) 

左は、アコヤパールとグレームーンストーン、ラブラドライトのニュートラルなカラーの天然石が指の間に浮き立つような、ダブルフィンガーリング。右は、2色のアコヤパールのコントラストが美しいオープンバングル。

[philia] akoya pearl labradorite double finger ring 37,400yen (with tax) /[philia] akoya pearl blue MIX bangle 29,700yen (with tax) 

2色のアコヤパールとグレーを基調とした天然石を、バランスよく配したネックレスとチョーカーもご用意しました。クラスプ(留め具)はお好きな位置でアクセントとしても楽しんでいただけるよう、ゴールドボールのデザインに仕上げました。

[philia] akoya pearl stone MIX choker 44,000yen (with tax) 


[philia] akoya pearl stone MIX necklace 49,500yen (with tax) 

お洋服と合わせるとき、ちょっとした長さの違いが気になるもの。こだわって選んでいただけるよう、長さ違いで42cmのネックレスと、それより4cm短い38cmのチョーカーもご用意しました。

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ARTIDA OUDがブランドローンチ時より大切にしてきたアコヤ真珠が育まれる、美しき伊勢志摩の海。その豊かな海を育むリアス海岸の英虞湾に浮かぶ島々のひとつ、間崎島に1949年設立された弥志磨真珠養殖場。

1971年に伊勢市にてヤシマ真珠が始まりました。

先日、私たちは、その五代目となるヤシマ真珠の山本行太さんにお話を伺いました。

山本さんは、島内で養殖業を続ける叔父の佐藤珠樹さんから直接養殖について学び、さらに自身の手で加工からデザイン、販売も行っています。伊勢志摩のアコヤ真珠の伝承者として、行政からファッションに至るまで、さまざまな活動や人をつなぐ役割も担っており、「伊勢志摩のキーパーソン」といわれる方です。
ARTIDA OUDでは、ローンチ当初より「philia」コレクションで一緒にお取り組みをしてきました。

今回の新作で使用している、伊勢志摩で偶然出逢った調色前のアコヤパール、そして伊勢志摩にまつわる現状の課題や山本さんの思いについて、お話いただきました。


── ARTIDA OUDはありのままの美しさを大切にしているブランドです。今回のグレーブルーの無調色のアコヤパールは、まさにありのままの姿で艶めくパールを存分に楽しむデザインが完成しました。

愛される真珠へ。もともとの美しさを引き出す、「調色」

── はじめに、通常パールに施されている「調色」について改めてお伺いさせてください。

とれたままの真珠は、すべてが統一的な白というわけではありません。ほんのり黄色がかっていたり、グレーだったり、個性豊かな色や形があります。一般的に製品としてこれまで求められてきたものは、ネックレスなど連にしたときに、統一的な色味や形に見える真珠です。特に少しピンク味を帯びた色が好まれてきました。

そのため、まずはとれたままのの真珠に穴をあけ、前処理(真珠層の表面のガタガタを綺麗に整える)をし、真珠の中に入っているしみを抜きます。

そして、真珠層と核の間の薄いスポンジ状の層に、ピンクになりうる色を入れて、統一的な真珠の色味になるよう、整えます。この工程のことを「調色」と呼んでいて、この工程を施すことでネックレスとして真珠を繋いだ時の、色味のブレを少なくし、統一的な美しさのものに仕上げることができます。

── 「染色」や「着色」といった言葉も聞きますよね。

化学的・物理的に色や外観を改変する加工で、外側を染める場合は染色、表面を染めることを着色といいます。一方、「調色」は、真珠の中に色を入れて、色味を整えることです。私たちは「調色」のことをもともとの美しさを引き出す工程と呼んでいます。

自然が織りなす偶然がうみだす無調色のブルーグレーパール

── 「調色」は真珠の本来の特性を生かした方法なんですね。これまでARTIDA OUDで取り扱ってきたアコヤパールは「調色」が施されたもので、その美しさにもとても魅了されてきましたが、さて、今回の主役、「無調色」のブルーグレーの色をしたアコヤパールの美しさや魅力は何だと思いますか?

調色を施さない、無調色のパールは、やはりその元の良さ、色の面白さ。ひとつひとつ素材独自の色を楽しんでいただけるかなというところですね。もうひとつの魅力として、ブルーグレーのパールは、少しピンク味を帯びた通常のパールよりも、赤味がない系統の色なので、ジュエリーとして使用する際に、ほかの素材との組み合わせもしやすく相性がよいかなと感じます。
今回のようなバロックのグレーパールは、外からの藻などの刺激で体が反応して、体から出た成分によって色や形が変わります。色はいわばシミのようなものなのですが、それが一部であったり、全体まで色が変わったりするなど様々です。なので、全体が綺麗なブルーグレーのアコヤパールは狙って作れるものではなく、希少といえます。

── 調色されたパールよりも、さらにありのままの姿である無調色の真珠。魅力的な艶めきや色もまさに自然の偶然が為す奇跡なんですね。ぜひその奇跡や希少性を知って身に着けていただけたら嬉しいですね。



複合的に絡みあう自然界のバランス

── 現在の養殖状況や、海にまつわる環境についての課題について教えてください。

数年前に発生したウイルスの影響をまだ受けているので、研究を重ね、またウイルスが活性化しないような対策をとっています。たとえばウイルスが活動できる水温というのがあるので、貝の水深を少し下げたりなど工夫しています。

あとは、貝の赤ちゃんである稚貝がどうしても死んでしまいやすいので、通常より多く数を用意するなどしています。なかなか難しい状況は続いていますね。その中でも年々少しずつわかってきたこともあるのでそれに対してトライしていっています。

また、ウイルスだけでなく、えさの少なさや水温の高さ、あとは台風の土砂によって森が痩せてしまうと、森の養分が海まで降りてこないといった問題などもあり、本当に複合的な要因で貝が死んでしまっているということもわかってきているので、状況に応じて試行錯誤しながら、さまざまな対応をしているような状況です。

── 自然や生き物と向き合うのは一筋縄ではいかないのでとても大変ですね。良いバランスや方法が見つけられることを願っています。ほかにも、後継者不足は引き続き課題ですよね。そのあたりも山本さんが活動をされていると耳に挟みました。

後継者問題解決への道しるべを

養殖業に興味を持つ方ややりたいと言ってくださっている方自体は実はいらっしゃるんです。ですが、人を育てられる環境をつくっていかないといけないというところや現実的な課題がまだありますね。僕自身だけで解決できるわけではないので、いろんな人のお話を聞きながら将来的にその環境や状況がつくれるようにしたいと考えています。

真珠を育ててくれるのは貝。貝とともに生きる楽しさ。

── 養殖業で、やりがいを感じることはどんなことなんでしょうか。

養殖業に40-50年従事している叔父(佐藤珠樹さん)の話にはなるのですが、いろいろ勉強して、理詰めで、理系の頭で考えるとなかなかうまくいかなかったと。でも研究を重ねた理論ではなく、貝がどうしたいかを考えて、合わせるようにしたらうまくいくようになったと言っていました。

貝に寄り添う感覚で、貝が過ごしやすいように環境を整えるようになってからは、より良い状態で育てられるようになっています。

叔父は真珠職人をいわれることが多いのですが、自身は職人ではなく、酪農家(ファーマー)の方がイメージが近いと言っています。貝を育てて、その貝が真珠を育ててくれるからと。その環境を整える仕事の方が近いかなと話していました。

命ある真珠に感謝しながら、貝とともに生きているのが楽しい、と叔父は言っていました。

伊勢志摩と真珠の魅力を届ける伝承者

── 真珠を通した、ご自身の使命はなんだと思われますか。

真珠自体、以前は冠婚葬祭の道具として使うイメージが強かったと思います。でも今はいろんな人に真珠を“より楽しんでいただきたい”という気持ちで、真珠の魅力を広げていきたいです。

また、伊勢志摩について、そしてどんな人がどのような思いで真珠を育てているのかを、多くの人々に伝えていきたいです。

そして自身の使命として、地域とブランドや企業を繋げたり、いろんな人と手を取り合い、アイデアを出し合いながら何かを作っていくようなことがしたいです。
伊勢志摩という場所、そして真珠をより知りたいという想いを持った人たちにこの魅力を届けていきたいです。


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Profile
山本行太
1986年12月8日 伊勢市生まれ
東京の百貨店宝石サロンにて販売員を経験後、ファッションジャーナリストのアシスタントとして日本各地の伝統工芸、ものづくりに出会う。
2016年 家業のヤシマ真珠へ入社
2017年 CROSPEARLを立ち上げ以降、真珠×クラフトで様々なコラボレーションを手掛ける。



ヤシマ真珠
https://yashima-pearl.com/about/

2023年に行った、Special Interviewもぜひ合わせて御覧ください。
Prayer of the Pearl―真珠たちの祈り
https://www.artidaoud.com/journal/224

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