インタビュー Guest - YOU

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Guest  YOU

俳優・タレント

人の存在に、その人が出会ってきた万象の軌跡を感じることがある。

どんな風景を目にし、何に心が揺れたか。
過ぎ去った日々、出会ってきた人たちと過ごした時間を通して、自分だけの世界が形作られていく――

それは、ARTIDA OUDが大切にしてきたストーンの個性とも重なるようだ。
原石は、地球内部で生まれ、成長していくその過程で空気や水、虹などの内包物-インクルージョン-を含み、ひとつとして同じ表情のものはない。気泡ができ美しく現れたりすることで、唯一無二の輝きを放つ。

いつも愛らしいYOUの個性。出会ったみんなが好きになる、そのありのままの魅力はいったいどこから--

「それはやっぱり経験だから。音楽、ファッション、社会に出てからお会いしてきた人、どんなふうに何を見て、どうやって時間を過ごしてきたかで自分が形成されるんじゃないかな」

18歳でモデルになり、バンド、俳優、タレント、エッセイストなどさまざまな活動をしてきた。

「TVも舞台もバンドもスタッフさんも、街で会う人も、ぜんぶが私を形作ってくれたと思います。古い人間なので、見たいし聞きたいし会いたいから家から出る。そしたら出会いもハプニングもたくさんあるんですけど、『楽しい』とか『痛い』とか実際に経験しないとわかんないんですよ。そうやって騒ぎながら60年近く生きていると、“逃したくない”っていう瞬間を何千と見てきて。そのなかでいいなと思う人の存在感を受け取って、ずっと覚えている感じです」

目に見えるものがすべてではない。歳を重ねて研ぎ澄まされた感覚があるそうだ。

「要らないものをどんどん落としていくんです。若い時はわからないから、間違ったところに触れて余計な時間や気を使うこともある。そうならないようにいいところだけキャッチできるようになったのは、訓練の賜物です。歳を重ねると、上手になることっていっぱいあると思うな」

まわりからは、飾らない自然体な姿に注目されることが多い。

「うまくやってるなと思います。みんなが見ている私は、仕事の私。プライベートで気を許すことって実はそんなにないタイプですけど、お仕事の時はまわりの方を全面信頼しています。呼んでいただいたことも、そこでできることは精一杯やっていることも本当だから。だからその意味では、仕事をしている時が一番純粋なので、その姿勢を“自然体”と言っていただくのかもしれません。でもさ、万人に親切にすればいい話で、心を開かなくちゃいけない時ってそんなにないから、それでいいと思ってます。本当の自分を語る場所なんて、みんなそんなにないでしょ?」

心の、純粋でやわらかな部分をさらけだすのは、勇気が必要なことだ。

「本棚を見せるのは、何よりも恥ずかしい。昔は、小説もなんでも読んでました。唯一、ファンタジーだけが苦手で。昔から夢を見ることがなかったタイプなんですよ。夢を見て、最初から信じると何かあった時にショックだから…外に出ると現実が広がっていて、何にも装備しないでいられることって少ないです。そういう時に助けてくれるのが、お化粧やジュエリー、バッグとか。身に着ける時点で『今日はグリーンにしようかな』ってその日の気持ちがある。そして、心を守ってくれる感じがします」

飾ることで叶える、飾らない自分。ありのままでいられる瞬間は?

「私は芸能人だし、日本にいるとみんな優しくしてくれるのでありがたいです。だからたまに、海外で何者でもない自分として扱われて『本来はこうなんだよね』って思い出すための旅行に行きます(笑)。ひとりの人間。そうしている時間が一番楽しいですね。日本にいると甘やかされちゃうので、違うぞ!って忘れないためにも」

SNSは一切しない。どんなプライベートを過ごしているのだろう。

「普通ですよ、最近は陶芸を習ったり、絵を描いたりもしてます。子どものお弁当も15年間作ってたし…SNSをしないのは、人に見せたいっていう感情がないから、多分やらないしできないんだと思う。見てくださいが苦手、かも。絵を描きましたとか言って載せるのが恥ずかしくて。恥ずかしいんです私は、大抵のことが」

ARTIDA OUDは、“raw beauty(=ありのままの美しさ)”をテーマに掲げている。YOUにとって、“美しさ”とはなんだろう?

「人でもものでも、存在感が腑に落ちるということだと思います。整っているというよりは、絵でも建築でも、存在感に圧倒されると美しいと感じます。各々自分の好きな存在感の人と付き合って、好きな存在感の服を買うじゃん。量産された画一的なものを見てもなんも思わないけど、誰かが何かを感じるものだったり、そういう人で居たいし、そう思っていたいです」

整っていなくても、確かな何かを放つ存在感に惹かれる--ARTIDA OUDが手がけるジュエリーの、いびつだけれど美しいカラーストーンや、バロックパールの数々を思った。

「ちょっと変わった人でも、目がきれいでドキッとすることってあるじゃないですか。そうやって、動揺させてもらえると嬉しいですよね。ものでも人でも。日々ハプニングと、その先にある出会いを待ってるところがあって。想定外は苦手な性格の人もいるけど、私はポジティブでもネガティブでも、ドキドキしていたい」

YOUさん

煌めくジュエリーとの出会いも、心が揺さぶられる瞬間だ。ARTIDA OUDでのお気に入りは?

「かわいいジュエリーがいっぱいありますよ。ゴールドのもの、グリーンのストーンのものが欲しいな。色は、白も赤も黒も紫も緑も好きなので、カラフルなストーンが並んでいて嬉しいです」

夜明けまでの静寂、暗闇に浮かぶ色とりどりの煌き――
ホリデーシーズンのジュエリーは、いびつさが愛らしいバロックパールや、ピンクの浜辺とエメラルドグリーンの海をイメージした“elafonisi”コレクションが淡く輝く。

「自分は人に見てもらう仕事だから、『自然体ですね』と言われたら『そうなんだ』って、『白がお似合いですね』って言われたら『ありがとう』って。この色!って決めると、楽しみをなくしちゃうからもったいない。私はなんでもいいので、いろんなお仕事で服もジュエリーも楽しみたいなと思います。みんなが思っている感じにしてもらえたら」

誰かに委ねることで見える、新しい可能性や楽しさ。やっぱりドキドキしていたいのだ。

「自分のことは人が決めるのよ。振り返ると、若い頃してたチグハグな格好は、自分で決めていたものが多かった。自分で見る自分はアテにならなくて、親友とか家族とか近い人に『あなたはこうだから』って言われたら、大体のことはそうなんだと思います。それで、個性って死ぬときに貫いてましたねっていう結果だと思う。あまり先にいろいろ決めないで、とにかくいろんな経験をして、興味があることを全部やっていって。みなさんにも、存分にドキドキしていただければと思います」

最後に、これからについて――

「私は、目標としての上下や横に別に興味がなくて。そもそも目標を持ったことがないんです。行動範囲は広げていきたいんだけど、ずっとこのままでい続けるために、いつもよそ見をしながら普通に進んでいる感じです。我ながら、これを若い時から考えてたのすごいなと思うんですけど、一番ラクな感じが好きなんですよね。あんまり頑張らなきゃいけないのが続くと…スターじゃないんで、これぐらいでよくない?って。多分各々自分の心地のいいテンポで過ごしてらっしゃると思いますけど、私もそういう生活をできるのが一番居心地がいいなと思いますね。適当に友だちと会って、楽しく飲めて旅行に行けて…お仕事は歳をとっていくに連れて減っていくものなので、それも自然に普通に受け入れて。そして、できればふっと終わる感じでね」

そう言って、にっこり笑う。

「クリスマスは、友だち家族と家でパーティーをします。大人は予算1万円で贈り物を持ち寄って、マライアキャリーの曲に合わせてプレゼント交換するんですよ。行事はベタにやります。七夕とか短冊を毎年書いてるし。ここ数年は、みんなが健康でありますようにって。それだけが願いです」

あなた色のホリデーが、煌めく時間となりますように。 眩い星に祈りを込めて。

PROFILE

YOUさん
YOU俳優・タレント
8月29日生まれ。東京都出身。モデル活動、バンド・FAIRCHILDでの音楽活動を経て俳優・タレントに。飄々とした話しぶりと、鋭い観察眼からのトークで人気を博す。俳優としても、ドラマや映画、舞台などで活躍中。
PHOTO&VISUAL MOVIE/TARO MIZUTANI
HAIR MAKE/RUMI SUWABE
STYLING/TSUGUMI WATARI@TW
MOVIE/EMINA NAGAHAMA
EDIT/MARIKO ARAKI(RIDE inc.)
TEXT/HANAKO FUJITA(RIDE inc.)

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