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モデル / NOMA

interview

モデル / NOMA

一瞬、空を見上げて欲しい。快晴の青い空が、美しいオレンジの夕焼けが、夜空に輝く金色の星々が目に飛び込んでくるだろう。静かに深呼吸してそれらを味わうと、日常は神秘に満ちていることがわかる。自然の神秘を見つめるのは、豊かな時間だ。

モデルのNOMAの頭のなかは、常にそんな神秘で溢れている。些細なことにも「ありがとう」と笑顔を返す豊かさを備えているのは、どこにいても、自然の力を近くに置き、取り入れているからだろう。

宇宙や植物をテーマに掲げるARTIDA OUDのジュエリーを身に着けることもまた、彼女にとっては自然体でいるためのひとつだそう。共鳴する彼女の心を覗かせてもらった。

宇宙への愛は、私たちの愛でもある。壮大なスケールのインタビューをどうぞ。




都市のなかでも自分らしくいたいから、自然と宇宙を意識した

―――モデルとして活動されているNOMAさんですが、宇宙や植物にとても造詣が深いですよね。どのようにして自然科学に興味を持たれたのでしょう?

地球の美しさを感じる場所で育ったことと、両親の影響が大きいですね。私は自然が豊かな佐賀県出身です。川遊びをしたり、キャンプで夜、テントから顔だけ出して天然のプラネタリウムを楽しんだり、秘密基地を3つも作っていたり(笑)、自然に恵まれた場所でのびのび育ったんです。両親は生物学者なので、家に帰ると親の『ナショナルジオグラフィック』や図鑑がいっぱいあって。自然な流れで植物や生き物、宇宙に対する興味が湧いていきましたね。

―――NOMAさんは宇宙をテーマにしたラジオ番組を担当されるほど宇宙がお好きですが、宇宙の魅力を感じるエピソードを教えてください。

たくさんあるんですけど…私、“光”という言葉がすごく好きなんです。たとえば、1万光年離れた場所にある天体って、1万年前に天体を出た光が、1万年のあいだ宇宙空間を飛び続け、いまやっと地球に届くーーだから、光は宇宙の記憶なんです。138億年前にビッグバンが起きて色んなものが生まれ、地球ができ、とめどない進化の本当に最後のほうに人類が誕生して。そう考えると、宇宙って遠く思いがちだけど、私たちはその一部だということが分かりますよね。すべてのもとを辿れば、私たちは光から生まれてきたとも言えるんじゃないかな。




―――サステナブルをテーマにしたカフェのプロデュースやクリエイティブワークは、どういったきっかけで始められたのでしょうか?

佐賀を出て、福岡の大学に行き、それから上京してモデルのお仕事をしました。東京って色んなもののスピードが早いし、刺激もたくさんある。その楽しさと目の前の仕事のリズムに合わせて生活していたのですが、すぐに体調を崩してしまったんです。自分がもとから持っていたバイオリズムと、都会のリズムが違ったんでしょうね。

モデルのお仕事って、自分らしく、なるべくリラックスしていながらも、そのときのテーマに合わせて求められているキャラクターを自分に投影し、表現する作業。でも体調を崩すとそれがやりにくいんです。そこで、「私が自分らしくいるためには、何が必要なんだろう?」って、自分を掘っていく作業をしました。見えてきたのは、幼少期に感じた宇宙や植物に対する興味。振り返ると、人生のなかでその瞬間瞬間に、付箋が貼られているみたいで。それが点じゃなくて線になって現在に繋がり、都市のなかでも自分らしくいるためには、植物の力を生活に取り入れたり宇宙の摂理を意識したりするのが大切だと思ったんです。


地球の資源は有限。未来のためにサステナブルな活動を

―――なるほど。NOMAさんの作品には、廃材を使用していると伺いました。どんな想いを込められているのでしょう?

私の「#nomapix」という作品シリーズは、失敗したポラロイド写真を捨てたくなくて、キャンパスとして使い始めたことがきっかけで8年前にスタートしました。今回掲載しているのは、ポラロイド作品、紙の作品、そして自分で撮影した写真を何枚も重ねて仕上げたデジタル作品です。それらを土台に使うのなら、自分の脳内宇宙を描くための顔料にもこだわりたく、せっかくならばと使用期限が切れたコスメや、乾いた文具を使うようになりました。紙地の作品も実家にあったクロッキー帳やスケッチ帳など、可能な限り手元にある素材から選んでいます。

そうすることで地球の資源を搾取しすぎることなく、持続可能なかたちでできればという想いがありますし、それはプロデュースワークやクリエイティブワークで伝えていきたいことでもあるんです。やっぱり地球上の資源は有限なので、なるべく自分の生活や表現のなかでも、できることをやっていきたいです。








―――ARTIDA OUDも未来に向けたサステナブルな活動の一環として、リサイクル地金の使用をスタートしたばかりなのでNOMAさんの想いに共感します。ヨガもお好きだと伺いましたが、日常でご自分のバランスを取る目的でしょうか?

そうですね。18歳からヨガをしているのですが、3年前にネパールのチベット仏教のお寺に数日間入って気付いたことがあるんです。そのお寺では、ヨガと瞑想をして、ヨガ哲学を学んで、リトリート(日常生活から離れ自分と向き合う体験)する5日間を過ごしました。そのときに、ヨガをしているときって、自然のなかにいる自分と近いなと思って。何も考えていないけど、心もマインドも自分の細胞も一つになっている気がして。海に浮かんでいるときや山にいるときの感覚に戻るんですよね。その意味で、私にとってヨガは欠かせないものです。


―――ヨガのほかに、都会にいる現代人が、自然を感じるためにオススメのものはありますか?

香りですね。私は自分の心と体の調律として、植物の香りを使っています。今日の自分をどんなテンションに持っていきたいか、この一週間でカラダをどんな状態に仕上げたいか、香りによって心身ともにサポートできると思います。ARTID OUDも香りにこだわられていますよね。"Il Notturno"オーガニックハンドクリームは、優しいジャスミンの香りが繊細かつ上品に広がり、さりげなく女性らしさを纏えるところに心地良さを覚えました。

―――今後の夢や、叶えたいことを教えてください。

旅、植物、宇宙といった私のライフワークを通して、地球人としてリベラルアーツを感じられるような発信をしていきたいなと思います。いまは数学や、環境学、社会学、ファッション…そんなふうにジャンルに区切られているけど、もとを辿るとすべて繋がっている。それらをまるっと感じるような発信を、場所なのかイベントなのかわからないですが、続けていきたいです。うーんと予算があったら、学校をつくりたいくらい。私が感動をもらった科学者さんや学者さんのお話を一人占めしているのがもったいなくて。10代、20代のころにお話を聞いていたら、もっとその世界にのめり込んでいたと思うし、学ぶことが好きだったと思います。だからシェアして、発信していきたいです。





潤いと輝きを持ち、それぞれの個性が光っている瞬間

――― このブランドは”raw beauty=華美に飾らず、ありのままの女性の美しさ”をテーマにしています。NOMAさんにとって、「"raw beauty" = ありのままの美しさ」とは何ですか?

あくまでも私の個人的な意見なんですけど、地球に生きる生命体として、潤いと輝きを持って、その生き物それぞれの個性が光っている瞬間――人間で言うと、“自分らしい”状態なのかもしれませんが、そういう姿を美しいと思いますね。

―――そういった意味で、心を奪われた景色や現象はありますか?

たくさんありますね。たとえば、自然に近い場所に住みたいなと思って、横浜に引っ越したんです。自宅で仕事をする日を週に2、3日間確保しているんですけど、そのときは、夕日が落ちるタイミングはなるべく「夕日を見るための時間」にしているんです。本当に美しいの。あまりの美しさに、地球と、夕日と、私と、私の物体――カラダと心と、すべてがひとつになったような、瞑想状態に近い感じになるんです。あの時間は自分自身が気持ちいいし、パワーを感じますね。自然から学ぶことや、自然のなかで感じることが多いです。





―――“ありのままの美しさ”を人間で考えると、内面の美しさもあると思います。自分を育ててくれた言葉や、本、映画などありましたら教えてください。最近、すごく素敵だなと思ってとあるイベントの前に読ませていただいた言葉があるんです。環境活動家でもあって、サイエンティストでもあるレイチェル・カーソンの言葉。これには私、大納得で、だから私は宇宙や植物が好きなんだなって改めて思いました。


「地球の美しさと神秘を感じ取れる人は、科学者であろうとなかろうと、人生に飽きて疲れたり、孤独にさいなまれることは決してないでしょう」(レイチェル・カーソン著『センス・オブ・ワンダー』より)


素敵な言葉です。私の旦那は月のほとんどを山で過ごしていて、友人たちから「寂しくないの?」とよく聞かれるのですが、横浜という土地がそうさせるのか、寂しさも孤独感も感じる瞬間がないんですよ。孤独感は、都会のほうが感じやすい気がしますね。


―――ARTIDA OUDは、NOMAさんのお好きな宇宙や植物、雄大な自然をテーマに、クリエイティブかつサステナブルなジュエリー作りを目指しています。

私にとってARTIDA OUDの存在は、自分の好奇心そのものなんです。こんなに共鳴するジュエリーブランドとは初めて出逢いましたし、身に着けていてすごく落ち着く。静かにテンションが上がりますね。自分が、より自分らしくいられる感覚です。

宇宙や植物が大好きな私が常日頃から思いを巡らせている森羅万象を、ジュエリーに落とし込んでいるじゃないですか。自然って本当に美しいし、古来の人たちも、その美しさを少しでも長く引き止めたいと思って文化のなかにそれを残してきたのではないかと思います。手の届かない宇宙や自然の神秘を、人間の近くに置いておきたいって。それって人間らしい感性で魅力的だと思うんです。そういった古来から変わらないスピリットに、忙しい現代のなかARTIDA OUDの世界観を通して出逢うことができてすごくうれしいです。



"elafonisi" blue sapphire and amethyst pave diamond triple open ring 41,040yen (with tax) / "elafonisi" pave new moon green tourmaline citrine single pierced earring 19,440yen (with tax) / "elafonisi" jupiter green tourmaline single pieced earring 17,280yen (with tax) (すべて4月上旬発売予定)

―――ありがとうございます。ARTIDA OUDでお気に入りのジュエリーを教えてください。

ええ〜…困った…ぜんぶ好きなんです(笑)。古代文明を思い出すようなデザイン性がある“bone”シリーズは、結婚式でも着用しました。私、人体をキャンパスと見立ててデザインしたくなるんですけど、それを叶えてくれるジュエリーだと思います。結婚式のテーマを“宇宙に浮かぶ緑の惑星”と設定して、大自然で行ったんです。

“bone”は、この自然のなかで宇宙感を出すのにぴったりで、出逢った瞬間に「これだ!」って。お式のときは、耳元はダブルフィンガーリングにフープを着けて、二次会では首元にはチョーカーをしました。



サークルモチーフの“jupiter”シリーズも好きですね。宇宙をスピンしているような、彗星の感じが神秘的で素敵です。透き通るエメラルドグリーンの海と幻想的なピンクの砂浜をイメージした“elafonisi”のカラフルな色味も好きだし…本当にどれもお気に入りで、選べません(笑)。


"jupiter" disque pave diamonds open bangle 26,400yen (with tax) / "jupiter" K18YG disque pave diamonds ring 52,800yen (with tax)  / "selene" K18YG grand disque pave diamonds ring 88,000yen (with tax) / "raw beauty" K18YG sliced and pave diamonds ring 82,500yen (with tax) 



―――さまざまなフィールドで頑張る方へ、メッセージをお願いします。

地球の自然や、森羅万象を存分に感じる時間を大切にしてほしいと思います。ついつい目の前のことや仕事で精一杯になってしまったりするのですが、地球人としての感受性を大切にすることが、日常をより豊かにしてくれると思うんです。いろいろあるけど、ちょっと夕日や星を見たり、満月の美しさに見惚れたりする時間を作ると、目の前にあるものごとと距離が取れる。惑星として見たときの地球は、神秘そのものです。



PROFILE

NOMA

日本人の父とシシリア系アメリカ人の母の間に生まれ、佐賀県の大自然に囲まれて野生児のように育つ。幼少期より大好きであった植物と宇宙への偏愛ぶりを中心に、ビューティーからカルチャー、サイエンス、ジャンルレスにトークショーやイベント出演を多数こなす。趣味は旅、自然科学探求、写真、調香、アップサイクルアート、空想。

Instagram
https://www.instagram.com/noma77777/

Twitter
https://twitter.com/noma7

 

PHOTOGRAPHER/MITCH NAKANO

ART WORKS/NOMA(1、5、6、7枚目:digital、3枚目:collage、その他:poraloid)

COSTUME COOPERATION/DOMENICO+SAVIO PR01.

HAIR&MAKE/AOI NAGASAWA

NAIL/SHOKO SEKINE (mojo NAIL)

EDIT/RIDE MEDIA&DESIGN

TEXT/HANAKO FUJITA

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