Jaipur ―宝石が集まる町で個性あふれる石をジュエリーに―

左・右:街並みは雑多ですが、デリーやムンバイといった大都会と比べるとのんびりした空気が流れるジャイプール 。
あちこちの造形がインスピレーション
世界中から集められた宝石が流通するジャイプールでは、近郊で貴石・半貴石が豊富に採掘されていたこともあり、マハラジャ御用達の豪華なジュエラーが発達しています。現在では石はほとんど産出されていませんが、昔と変わらず宝石が集まり、そして歴史の中で育まれたジュエリーの技法を求めて世界中から宝飾関係者が訪れているのです。いまも藩王の血を引くマハラジャが住むシティ・パレスという宮殿は、私たちにとって大切なインスピレーションの源。宮殿内の建築物の装飾や支柱の形、壁画のカラフルでオリエンタルな色使いなど、至るところにデザインのヒントになるものが溢れています。

シティ・パレスの敷地の一部は博物館として一般公開されており、エリアによって異なる装飾や建築様式を見ることができます。デザインのヒントを与えてくれる、インドの職人の素晴らしい技術が詰まった場所。上:とりわけ気に入っているのは、美しいロイヤルブルーに真っ白なペイントを施した「青の部屋」。下左:モザイクのようにカラフルに宝石を散りばめた壁面のミラー。下右:扉に彫られたゴールドカラーの美しい文様。
世界レベルのハイクオリティな技術でジュエリーに
ARTIDA OUDの約9割の商品を生産する、ジュエリー工房への訪問がこの旅の一番の目的。こちらは、世界の名だたるハイジュエラーの生産を手掛ける高い技術を持った工房です。ここで新しいデザインのサンプル製作を依頼し、数ヶ月かけて出来上った製品を再度工房へと足を運び、検品を行います。日本ではいかに均一のものを作れるかがクオリティを測る尺度になっていると感じますが、ここでは同じデザインでも職人の手仕事により独特の風合いが足され、最後の仕上がりが決まります。つまり均一ではないけれども、それがより素晴らしいものに仕上がればそれはハイクオリティな製品。ヨーロッパ諸国の有名ジュエリーデザイナーがわざわざ訪れて製作依頼をするのには、そんな手仕事に実際に触れてみたいと思うからではないでしょうか。世界中のデザイナーの製品に携わるのですから、職人は最新のデザインを手がける技を自然と身につけていくのでしょう。
工房内はハイブランドの生産を手掛けていることもあり、撮影は厳しく規制されています。事前にアポイントを入れても、工房内に入ることが許されるのはカメラマンのみ。今回は特別に、ARTIDA OUDのジュエリーを製作する様子を撮影。
時間をかけて石の選定
ジュエリー工房での仕上げの前には、滞在中に最も長い時間を過ごす石の工房での石選び。世界中から石の集まるジャイプールには、日本で見られるものとは比べものにならないほど、沢山の種類と形状のものに出合うことができます。無数にある石の中から、吟味しながら買い付けるのですが、ポイントはジュエリーにセッティングした際に華がありつつも上品なサイズ感であること。そして、肌に乗せた際に美しい発色を保つ色味であること。均一にカットされた美しい石も数多くありますが、私たちが選ぶのは、あえて形状がまちまちだったり、内包しているインクルージョンの表情が豊かな石に限ります。目を皿のようにして、何日もかけて石を選ぶ作業はとても根気がいり、労力が必要になります。しかし個性溢れる石たちを眺めていると、疲れを癒すヒーリング力やインスピレーションを引き出す力など、石に宿るパワーを感じずにはいられません。純粋にその美しさにうっとりして、ジュエリーに姿を変える時が楽しみでたまらなくなる時間でもあるのです。
種類別にわけられた石をピンセットで選び、その場で買い付けします。個性ある煌めきを逃さぬよう集中力を高めます。
石から選べるジュエリー提案
石には一つひとつ個性があります。ターコイズ、ムーンストーン、アメジストといった種類だけでなく、同じターコイズでも、大きさや形状だけでなく、内包しているインクルージョンの表情も異なります。私たちがジャイプールで行なう石選びや、ジュエリーにセッティングする過程で生まれる喜びや高揚感をみなさまにも体験していただき、ARTIDA OUDの魅力をより深く知ってもらいたい…そんな私たちの思いを実現させる新しいコンテンツを現在企画進行中です。ウェブサイト内でその夢が実現するときをぜひお楽しみに。
PHOTOGRAPHER/TAKASHI AKIYAMA
